チゴガニ(カニのなかま)
甲らのはばが7mmほどの小さなカニです。干潟で見られるカニのなかでも小さいので、稚児ガニなのでしょうか。
砂まじりの泥の干潟に、穴をほって群生(:むれで生活している)しています。潮(:海水)がひくと、穴から出て、えさを食べます。
とてもすばしこくて、人が近づくと、さっと穴に逃げこみます。
オスは、メスにくらべると「はさみあし」がやや大きいです。オスは、えさを食べる間に、はさみあしを上下にふる動作をくりかえしています。はさみあしの内側が白いので、遠くからみると、白い花びらが風にまっているようにもみえたり、ダンスをおどっているようにみえたりして、かわいいです。
メスの動作は、目立ちません。
チゴガニは、えさを食べる時に、『砂だんご』を作ります。砂泥(すなやどろ)の表面にはえたケイソウなどを、砂泥とともにはさみあしですくって口に入れます。口の中でえり分けて、砂泥を水とともに棒状にして押し出し、それをはさみの先でチョンと切り落とします。こうして、巣穴からすこしずつ移動しながらえさをとり、砂だんごを落としていくので、砂だんごの列が巣穴のまわりにきれいに並びます。
砂だんごで行動範囲が分かります。潮のひいた干潟でしばらくじっとすわってながめてみてください。巣穴から出てきたチゴガニが、砂だんごを作ったり、はさみあしを上下にふってダンスをおどったりしますよ。
なんだかわくわくしますね。